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【PLF体操(2/9)】間欠性跛行が改善し、歩ける距離が10倍になる新運動を発見!

著者:運動器機能解剖学研究所代表・理学療法士 林典雄


脊柱管狭窄症ひろばでは、間欠性跛行を改善する運動療法「PLF体操」について紹介しています。

●PLF体操について最初から知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

サムネ1.png【PLF体操(1/9)】腰痛学会で発表!腰椎の反りを防いで間欠性跛行を改善!





意外!間欠性跛行に悩む人は太ももが胸につかない

実は、脊柱管狭窄症で間欠性跛行に悩む患者さんには共通点があります。それは、腰椎(背骨の腰の部分)と股関節の動きが硬くなっているということ。今回は腰椎の曲がりやすさ(後弯可動性)と股関節の柔軟性を確かめるテストを紹介します。

まずは「PLFテスト」。これは私が考案した腰椎の曲がりやすさを調べるテストで、多くの臨床現場でも活用されています。やり方はとても簡単なので、写真を見ながら行ってみましょう。

最初に、下の写真のように横向きに寝て両足を45度に曲げます。

テスト1.jpg次に、上になった足に力を入れると同時に両手でひざを抱えて足全体を引き上げてみましょう。みなさんの状態は、下の写真のどちらに近いですか?

テスト2.jpgテスト3.jpg
2枚めの写真のように太ももが胸につかなかったら、腰椎の曲がりやすさが低下しているサインです。その場合「PLF体操」を行うことで、間欠性跛行を改善できる可能性が大いにあります。

間欠性跛行に悩む人は足がまっすぐ伸びない

次に紹介するのは「トーマステスト」です。間欠性跛行に悩む患者さんは、腸腰筋(股関節の前面の筋肉)が硬くなっていて(拘縮という)、歩くときに腸腰筋によって腰椎が引っぱられて反ってしまうことが多いようです。そこで、このテストでは腸腰筋の柔軟性を調べます。

こちらもやり方は非常に簡単なので、いっしょにやってみましょう。片方の太ももを抱え込むようにして股関節を曲げてみてください。みなさんの状態は、下の写真のどちらに近いでしょうか?


テスト4.jpgテスト5.jpg

2枚めの写真のように、太ももを抱え込むと反対側の太ももが勝手に持ち上がってしまう人は、腸腰筋が動きにくくなっていると考えられます。その場合もぜひ「PLF体操」を行ってみてほしいと思います。

91%の間欠性跛行が改善し、歩ける距離が10倍に延びた!

私は、医師と共同でPLF体操の効果について研究し、「日本腰痛学会」でその成果について報告したことがあります。協力してくれたのは難治といわれる馬尾性の脊柱管狭窄症で間欠性跛行に悩む患者さん23人(男性16人、女性7人。平均年齢71.9歳)です。腰椎の動きやすさの正常化をめざすPLF体操を週2回指導し、自宅でも簡単な体操を行ってもらいました。

その結果、23人中21人(91.3%)の連続歩行距離に明らかな延長が確認されました。

P018グラフ.jpg21人の初診時の平均歩行距離は102.1mでした。しかし運動療法を行った結果、2ヵ月間で15人(71.4%)が1km以上連続して歩けるようになりました。歩ける距離が約10倍に延びたのです。残りの6人も運動療法を3ヵ月間続けたところ、平均して640mの連続歩行が可能になりました。

そして、2ヵ月以内に1km以上の連続歩行が可能になった15人を対象にPLFテストを行うと、太ももが胸につくようになっていました。残りの6人も初診時に比べて、太ももが胸に近づけられるようになっていたのです。

以上の研究から、間欠性跛行の重症度には、腰椎の曲がりやすさが深く関わっていることがわかりました。そして、PLFテストで太ももを胸に近づけられることをめざす運動療法と腸腰筋の柔軟性を改善する運動療法を行うと、歩いているときの腰椎の運動性が改善することで硬膜圧が弱まり、痛みやしびれの発生が抑えられて、歩行距離が延びるという結果が得られたのです。

次回から、「PLF体操」の具体的なやり方とその目的について説明しましょう。


・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

出典


koshiraku_006.jpg●脊柱管狭窄症克服マガジン 腰らく塾vol.6 2018年春号
・腰らく塾の情報はこちらから
http://wks.jp/publication/koshiraku/

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●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。

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