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【学ぶ】基礎知識

「馬尾型」脊柱管狭窄症の症状~両足にしびれ、痛み、尿もれや便秘も~

著者:清水伸一

腰部脊柱管狭窄症の3つのタイプ(病型)の中で(詳しくは、脊柱管狭窄症の3タイプ分類で未来の症状と治し方が見えるへ)。
神経根型に次いで多いタイプが、「馬尾型」です(清水整形外科クリニックの調査では20.3%を馬尾型が占める)。

両足に痛みやしびれの症状なら馬尾型の可能性

馬尾型とは、脊髄の末端にある馬尾という神経の束が圧迫されて発症するタイプのこと。

前の記事で説明した神経根型は左右どちらか一方の足に症状が現われる片側性であるのに対し、馬尾型は両足に症状が現れる両側性です。
馬尾が圧迫されると、両足のしびれや痛み、さまざまな異常感覚、間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)が頻繁に生じます。

馬尾型の場合、痛みはさほど強くないのですが、深刻なのは、お尻まわりの症状が多発することでしょう。下半身に異様な違和感が次々と場所を変えて現れるのです。
例えば、左右両側のお尻や、お尻から足にかけて、広範囲にしびれやマヒが現れます。そのほか、お尻まわりの冷感や灼熱感、足の裏のジリジリ感、脱力などが生じてくるのです。

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頻尿、尿もれ、便秘も馬尾型の特徴的な症状

馬尾は膀胱や直腸の働きとも密接に関係しており残尿感や頻尿、尿もれ、便秘もよく見られます。

もし自力で排尿・排便ができなくなったら、直ちに手術を検討しなければなりません。 そのほかにも、会陰部(生殖器と肛門の間)がほてったり、男性の場合は歩行中に陰茎勃起を起こしたりすることもあります。

馬尾型は約3割が手術。運動療法で悪化させない治療を

では、馬尾型の患者さんは、どのような経過をたどることが多いのでしょうか。

当院の追跡調査によれば、患者さんの初診時の平均年齢は65歳で、平均罹病期間は5年でした。
つまり、多くの人は60歳前後から痛みやしびれ、異常感覚を自覚しはじめることになります。
馬尾型の治療も、神経根型と同じように保存療法(手術以外の治療法)が中心になります。

しかし、痛みと違ってしびれや異常感覚は改善が難しく、いろいろ手を尽くしてもなかなかすんなりとは治りません。

そのため、症状を抑えながら病状を悪化させないことを目的に治療を行います。脊柱管狭窄症は日ごろの悪い姿勢で症状が悪化しやすいので、当院ではストレッチなどの運動療法を重点的に指導しています。

私は、馬尾型の患者さんについても、症状の変化をVAS(症状の強さの尺度。0〜10点で評価し点数が低いほど症状が良好)を用いて調べました(他のタイプについて詳しくは、「神経根型」脊柱管狭窄症の症状「混合型」脊柱管狭窄症の症状へ)。

その結果、初診時が平均8.8点だったのが、治療後は4.9点となりました。
馬尾型でも、保存療法によって症状はそれなりに改善できると考えられます。
すべてのタイプにいえることですが、なんといっても日常生活のケアが大事なのです。

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なお、当院で保存療法を受けた馬尾型の患者さんのうち、手術に踏み切った人の割合は33.3%。
そのうち排尿・排便障害の疑いがあったのは一人だけでした。たとえ症状が軽度であっても、お尻の感覚が鈍いと失禁・脱糞の心配があるため、手術に踏み切る人が多いようです。

脊柱管狭窄症のタイプは、医師の診断がなくても、ある程度自分で推測することができます。

詳しくは、自己診断チェック付!脊柱管狭窄症の診断・検査方法とはをご覧ください


●脊柱管狭窄症の他の症状(神経根型・混合型)を知るには・・・・・・
「神経根型」脊柱管狭窄症の症状~左右片側に痛みやしびれ、歩行障害も~
「混合型」脊柱管狭窄症の症状~お尻から足裏に痛みや違和感、排尿・排便障害も

狭窄症Part01_cover.png出典:わかさ夢ムック1 腰と首の脊柱管狭窄症に絶対勝つ!あっと驚く自力克服道場
http://wks.jp/mook001/
著者:清水伸一

●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


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