【症例報告・ベタ足歩き】足裏の感覚が鈍くてよく転倒したが、半年で歩ける距離が倍へ|カラダネ

【集う】体験記・症例紹介

【症例報告・ベタ足歩き】足裏の感覚が鈍くてよく転倒したが、半年で歩ける距離が倍へ

著者:清水整形外科クリニック院長 清水伸一

「体験談・症例報告」では、医師の治療に加えて、本サイトで紹介する自力改善方法で、実際に脊柱管狭窄症の症状が回復した人の体験談や症例報告を紹介します。
ここでは、「ベタ足歩き」を行って、症状が改善した茅野春子さん(68歳・仮名)の症例を清水伸一先生が紹介します。

「ベタ足歩き」について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
脊柱管狭窄症で歩けない! [重症度別]歩行力アップ法&緊急対処法(両手杖歩きの項を参照)

必ず医師の治療を受けたうえで、セルフケアの一環として記事にあることを試してみてください。

足裏の感覚が鈍くなり街中でよく転倒した

茅野春子さん(68歳・仮名)は、8年前から腰痛と右足のしびれに悩まされていました。整形外科で検査を受けたら腰部脊柱管狭窄症と診断され、リハビリ(機能回復訓練)に取り組みましたが、症状はあまり改善しなかったそうです。

2年前からは足裏の感覚が鈍くなりました。足裏の感覚が鈍いと地面を踏みしめている実感が乏しく、踏んばりがきかなくなります。そもそも茅野さんは、間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)で一度に300m歩くのがやっとの状態。そのうえ、足裏が不安定でよろけるため街中でよく転倒するようになったそうです。

茅野さんは、思い切って手術を受けようかと考えました。しかし、主治医から「たとえ手術を受けても、しびれや異常感覚が改善する保証はありません」と念を押されたといいます。
そこで、せめて転倒せずに歩けるようになりたいということで当院を受診したのです。

半年で歩行距離が300mも増えた

04_21_002.png茅野さんは歩くさいに前かがみになり、顔を下に向け、足もとを見て爪先に重心を置いていました。足裏の感覚が鈍いのに、体の重心が前に偏っていては、何かの拍子にすぐ転倒してしまいます。
そこで、爪先とかかとを同時にベタッと地面に着けるベタ足歩きを指導したのです。自宅にいるときや外出のさいに、意識的にベタ足歩きを実行した茅野さん。すると、下半身がしっかりと安定して、全く転ばなくなったそうです。
もっとも、一度に歩ける距離は300mのままで、5~8分ほど休憩を取らなければなりません。

次の段階として、歩行距離を延ばせるように足底筋(足裏の筋肉)を鍛える運動をしてもらいました。その結果、茅野さんは、日を追うごとに足部の安定性が増すことを実感しました。歩行距離も徐々に延び、6ヵ月後には一度に600mを歩けるようになったのです。
ベタ足歩きは安全第一なのでスタスタと勢いよく歩けるわけではありませんが、茅野さんは日常生活で不便はなくなったといいます。

茅野さんの足腰には、今でも歩いたときに痛みやしびれ、異常感覚が現れます。それでも歩行距離が延び、転倒骨折による寝たきりの不安が大幅に減ったので満足しているそうです。

・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

出典

狭窄症Part01_cover.pngわかさ夢ムック01 腰と首の脊柱管狭窄症に絶対勝つ!あっと驚く自力克服道場
http://wks.jp/mook001/
著者:清水伸一

●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


【集う】体験記・症例紹介の記事一覧

この記事が気に入ったらいいね!しよう