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【症例報告・振り子歩き】2ヵ月で間欠性跛行が改善し、気持ちも前向きになった

著者:清水整形外科クリニック院長 清水伸一

「体験談・症例報告」では、医師の治療に加えて、本サイトで紹介する自力改善方法で、実際に脊柱管狭窄症の症状が回復した人の体験談などを紹介します。
ここでは、「振り子歩き」を行って、症状が改善した今泉博章さん(71歳・仮名)の症例を清水伸一先生が紹介します。

「振り子歩き」について、それぞれ詳しくは以下をご覧ください。
脊柱管狭窄症で歩けない! [重症度別]歩行力アップ法&緊急対処法

医師の治療とともに、セルフケアの一環として記事にあることを試してみてください。

症状が改善せずストレスがたまり引きこもるようになった

今泉博章さん(仮名・71歳)は、3年前から右足にしびれが現れるようになり、休みながらでないと歩けなくなりました。一度に歩ける距離は、せいぜい300m。そのたびに、2~3分休んでいたそうです。

病院で検査を受けたところ、診断名は腰部脊柱管狭窄症。自分の歩行障害が脊柱管狭窄症による間欠性跛行であることを、今泉さんはこのとき初めて知りました。
内服薬や湿布、リハビリ(機能回復訓練)で症状の改善を試みましたが、しびれはほとんど治まらなかったそうです。やがて、300m歩くたびに7~8分休まなければならなくなり、精神的なストレスから一日じゅう自室に引きこもってほとんど外出しなくなりました。
ある日、お孫さんから「最近おかしいよ」といわれた今泉さんは反省。歩行力を改善できたらと考え当院を訪れました。

振り子歩きで積極的に外出して気分も明るくなった

当時、今泉さんが歩くさいの姿勢は前かがみで、足もとを見て歩いていました。確かに、脊柱管狭窄症のしびれは前かがみになるとらくになりますが、前かがみでは歩幅が狭くなり、歩行距離が延びません。

そこで、歩行訓練として、上半身をニュートラルポジション(それ以上に反らすと症状が現れる上体の傾き)まで起こしてもらい、振り子歩きをすすめました。今泉さんの症状は右足のしびれだけだったので、振り子歩きを難なくマスターでき、散策を楽しむつもりで散歩中に振り子歩きをするようアドバイスしました。
それ以降、今までの引きこもり生活から一転して積極的に外出するようになった今泉さん。大腰筋を起点にして、左右の足を振り子のように動かして歩く振り子歩きは歩幅が広いため、すぐに400mまで歩行距離が延びました。

また、歩行のさい、顔を下に向けずに、まっすぐ前方を見るようにしたら気分が明るくなり、間欠性跛行が現れてもクヨクヨしなくなったとのこと。
その後、一度に歩ける距離は400mのままでしたが、休む時間は短くなり、2ヵ月後には5分、8ヵ月後には3分の休憩で、再び歩けるようになりました。今では、休憩でお孫さんを待たせることなく同じように歩けるとうれしそうでした。

・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

出典

狭窄症Part01_cover.pngわかさ夢ムック1 腰と首の脊柱管狭窄症に絶対勝つ!あっと驚く自力克服道場
http://wks.jp/mook001/
著者:清水伸一

●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


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