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【症例報告・スーッと背伸び】狭窄症による間欠性跛行で10分すら歩けなかったが、今は連続60分歩ける

著者:清水整形外科クリニック院長 清水伸一

「体験談・症例報告」では、医師の治療に加えて、本サイトで紹介する自力改善方法で、実際に脊柱管狭窄症の症状が回復した人の体験談などを紹介します。
ここでは、「スーッと背伸び」を行って、症状が改善した吉田武司さん(70歳・仮名)の症例を清水伸一先生が紹介します。

「スーッと背伸び」について、それぞれ詳しくは以下をご覧ください。
姿勢から改善する脊柱管狭窄症【根治】プログラム

必ず医師の治療を受けたうえで、セルフケアの一環として記事にあることを試してみてください。

10分も歩くと足がしびれて転倒していた

吉田武司さん(70歳・仮名)は、重度の腰部脊柱管狭窄症の患者さんでした。数年前から足のしびれに悩まされ、10分も歩くと感覚が鈍くなって転倒してしまうほど深刻な症状でした。

ほかの医院で、脊柱管狭窄症と診断され、薬の服用とリハビリ(機能回復訓練)を行ったものの効果がなく、手術をすすめられたそうです。ただ、手術をしてもしびれは取れない場合があるといわれ、手術以外の有効な方法を探していたところ、知人の紹介で、私のクリニックに来院しました。

初診時の吉田さんは、ネコ背で腰が曲がり、ほとんど歩いていなかったために足がやせ細って、転倒の危険がありました。そこで、寝た姿勢で行う「スーッと背伸び」と、ひじかけのついたイスに座ったままで足ふみの練習をするところから治療を始めることにしました。

スーッと背伸びは朝・昼・夜のほか、入浴時にも浴槽に座って、のぼせないように注意をしながら行ってもらいました

6ヵ月後には杖を使って坂道を上れた

スーッと背伸びを始めて2ヵ月後、吉田さんは、以前より腰が伸び、ネコ背もずいぶん解消していました。そこで、次は、立って足ふみをしてもらい、しびれが現れたら、イスに座ってスーッと背伸びを行うように指導しました。

すると、4ヵ月後には、T字杖を使えばらくに歩けるようになりました。さらに、6ヵ月後にはウォーキング用の二本の杖を使って、一人で坂道を上れるまでになったのです。長い距離を歩けるようになると、背すじも伸び、足の動きも以前とは比較にならないほど軽やかです。何より、表情には自信があふれて気持ちも前向きです。

現在では、足のしびれが少し残っているものの、1時間くらいは休まずに歩けるようになり、お孫さんとの散歩を楽しんでいます。もちろん、日課となっているスーッと背伸びを欠かすことはありません。
吉田さんの場合、症状に応じた適切な対処ができ、「どうせ治らない」というあきらめの気持ちが、「自分で治せる」と前向きになっていったのがいい結果につながったのでしょう。
スーッと背伸びは、寝たままでも行える簡単で効果的な体操です。
背すじを伸ばして胸を広げ、ゆっくりと腹式呼吸を行うことで、脊柱管狭窄症の改善につながるだけでなく、気持ちもリラックスできるのです。

・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


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