【治す】自力改善
1日3回の[3方おじぎ]で姿勢を正せば脊柱管も広がり間欠性跛行も改善!
著者:清水整形外科クリニック院長 清水伸一
この記事では、埼玉県・清水整形外科クリニック院長・清水伸一先生が実際に患者さんに指導している体操「3方おじぎ」を紹介します。
脊柱管狭窄症の大きな根本原因の一つである、悪い姿勢を正して脊柱管を広げる「3方おじぎ」は自宅でも簡単にできるセルフケアです。脊柱管狭窄症の人は、必ず病院での治療を受けてください。そのうえで、ぜひみなさんも試してみてください。
脊柱管狭窄症の症状は姿勢の異常が出発点
脊柱管狭窄症は、痛みやしびれ、異常感覚を伴いやすく、さまざまな症状が現れます。その痛みやしびれが現れる原因としては、狭まった脊柱管によって神経が圧迫されることのほかに、放散痛(障害のある部位とかけ離れた部位に現れる痛み)、坐骨神経痛、筋肉のこり、筋膜炎、太ももの末梢神経障害などさまざまなケースが考えられます。
しかし、これらの原因をたどっていくと、そもそもの発端は「姿勢の異常」に行き着くのです。私は、脊柱管狭窄症が発症するまでの経過を次のようにとらえています。
①姿勢の異常→②体の重心のズレ→③筋肉バランスの偏り→④腰曲がり→⑤腰椎(背骨の腰の部分)の負担が増加→⑥脊柱管の狭窄→⑦痛みやしびれなどの症状の発現。
つまり、脊柱管狭窄症やその症状を改善に導くには、こうした一連の流れの出発点である①姿勢の異常を正すことが最も重要になるのです。姿勢の異常を放っておくと、脊柱管狭窄症の悪化だけでなく、体の重心が前方にずれて爪先に体重がかかり、体のバランスを取ろうとして腰・太もも・ふくらはぎが緊張し、腰椎やひざ関節の負担も大きくなります。
そこで、私は「3方おじぎ」という体操を考案し、患者さんに指導しています。
脊柱管狭窄症は、痛みやしびれ、異常感覚を伴いやすく、さまざまな症状が現れます。その痛みやしびれが現れる原因としては、狭まった脊柱管によって神経が圧迫されることのほかに、放散痛(障害のある部位とかけ離れた部位に現れる痛み)、坐骨神経痛、筋肉のこり、筋膜炎、太ももの末梢神経障害などさまざまなケースが考えられます。
しかし、これらの原因をたどっていくと、そもそもの発端は「姿勢の異常」に行き着くのです。私は、脊柱管狭窄症が発症するまでの経過を次のようにとらえています。
①姿勢の異常→②体の重心のズレ→③筋肉バランスの偏り→④腰曲がり→⑤腰椎(背骨の腰の部分)の負担が増加→⑥脊柱管の狭窄→⑦痛みやしびれなどの症状の発現。
つまり、脊柱管狭窄症やその症状を改善に導くには、こうした一連の流れの出発点である①姿勢の異常を正すことが最も重要になるのです。姿勢の異常を放っておくと、脊柱管狭窄症の悪化だけでなく、体の重心が前方にずれて爪先に体重がかかり、体のバランスを取ろうとして腰・太もも・ふくらはぎが緊張し、腰椎やひざ関節の負担も大きくなります。
そこで、私は「3方おじぎ」という体操を考案し、患者さんに指導しています。
3方おじぎで腰椎の可動域が広がり正しい姿勢も身につく
3方おじぎは、イスに腰かけて前方・右斜め・左斜めの3方向におじぎをくり返し、上半身を起こすときに痛みやしびれが出ないギリギリの傾き(ニュートラルポジション)まで腰を伸ばす簡単な体操です。
このような動作をくり返すと腰椎の可動域(動く範囲)が多方向に広がり、脊柱管で神経が圧迫されにくくなります。それとともに、体の重心も正されていき、腰椎に負担のかかりにくい姿勢を体に覚え込ませることができるのです。
そして、一度、正しい姿勢を身につけてしまえば、前かがみ姿勢になったとき、その状態がどれほど足腰に負担をかけているのかも実感できるようになるでしょう。
3方向のおじぎをくり返すことで、腹筋や背筋、お尻や太ももの筋肉もまんべんなく伸ばせます。このようなストレッチ効果で筋肉が柔軟性を取り戻せば、太ももの痛みやしびれも快方に向かうでしょう。
3方おじぎを指導した患者さんの多くは太ももの痛みやしびれが軽減しており、中には間欠性跛行の改善によって、発症前とほぼ変わらない生活が送れるようになった人もいます。
3方おじぎは、イスに腰かけて前方・右斜め・左斜めの3方向におじぎをくり返し、上半身を起こすときに痛みやしびれが出ないギリギリの傾き(ニュートラルポジション)まで腰を伸ばす簡単な体操です。
このような動作をくり返すと腰椎の可動域(動く範囲)が多方向に広がり、脊柱管で神経が圧迫されにくくなります。それとともに、体の重心も正されていき、腰椎に負担のかかりにくい姿勢を体に覚え込ませることができるのです。
そして、一度、正しい姿勢を身につけてしまえば、前かがみ姿勢になったとき、その状態がどれほど足腰に負担をかけているのかも実感できるようになるでしょう。
3方向のおじぎをくり返すことで、腹筋や背筋、お尻や太ももの筋肉もまんべんなく伸ばせます。このようなストレッチ効果で筋肉が柔軟性を取り戻せば、太ももの痛みやしびれも快方に向かうでしょう。
3方おじぎを指導した患者さんの多くは太ももの痛みやしびれが軽減しており、中には間欠性跛行の改善によって、発症前とほぼ変わらない生活が送れるようになった人もいます。
3方おじぎのやり方
それでは、3方おじぎの具体的なやり方を解説しましょう。
①ニュートラルポジション
イスに腰かけて両足を肩幅に開き、ニュートラルポジション(腰をそれ以上後ろに反らせると症状が現れる状態の傾き)を取る。あごは軽く引いておく。
②前方におじぎする
息を吐きながら、おじぎをするようにゆっくりと上半身を前に倒して腰を丸める。痛みやしびれが出ない程度まで倒したら、そのまま3秒静止。
③上半身を起こす
息を吸いながら、ゆっくりと上半身を起こしてニュートラルポジションに戻る。そして、胸を広げて腰を軽く上に伸ばし、そのまま3秒静止。
④右斜め方向におじぎする
息を吐きながら、上半身を右斜めの方向にゆっくり倒して腰を丸める。痛みが出ない程度まで倒したら3秒静止。次に③の要領で上半身を起こす。
⑤左斜め方向におじぎする
息を吐きながら、上半身を左斜めの方向にゆっくり倒して腰を丸める。痛みが出ない程度まで倒したら3秒静止。次に③の要領で上半身を起こす。
⑥3方おじぎを5回くり返す
再び②〜⑤の動作を5回くり返すことを1セットとして朝・昼・晩に1セット以上行う。特に③の動作では骨盤を起こすように意識するのがポイント。
※注意点※
②④⑤で前屈するときは、痛みやしびれが強くならない程度の角度にとどめてください。無理に深く前屈したり、勢いよく行ったりするのは厳禁です。
それでは、3方おじぎの具体的なやり方を解説しましょう。
①ニュートラルポジション
イスに腰かけて両足を肩幅に開き、ニュートラルポジション(腰をそれ以上後ろに反らせると症状が現れる状態の傾き)を取る。あごは軽く引いておく。
②前方におじぎする
息を吐きながら、おじぎをするようにゆっくりと上半身を前に倒して腰を丸める。痛みやしびれが出ない程度まで倒したら、そのまま3秒静止。
③上半身を起こす
息を吸いながら、ゆっくりと上半身を起こしてニュートラルポジションに戻る。そして、胸を広げて腰を軽く上に伸ばし、そのまま3秒静止。
④右斜め方向におじぎする
息を吐きながら、上半身を右斜めの方向にゆっくり倒して腰を丸める。痛みが出ない程度まで倒したら3秒静止。次に③の要領で上半身を起こす。
⑤左斜め方向におじぎする
息を吐きながら、上半身を左斜めの方向にゆっくり倒して腰を丸める。痛みが出ない程度まで倒したら3秒静止。次に③の要領で上半身を起こす。
⑥3方おじぎを5回くり返す
再び②〜⑤の動作を5回くり返すことを1セットとして朝・昼・晩に1セット以上行う。特に③の動作では骨盤を起こすように意識するのがポイント。
※注意点※
②④⑤で前屈するときは、痛みやしびれが強くならない程度の角度にとどめてください。無理に深く前屈したり、勢いよく行ったりするのは厳禁です。
3方おじぎのポイント
さらに、3方おじぎを行うときに注意してほしいポイントを説明します。
●太ももをほぐしておく
3方おじぎを始める前に、準備として太ももの背面にある大腿二頭筋をプッシュオフして、よくほぐしておいてください。親指以外の四指を使って大腿二頭筋をまんべんなく押し、痛みの生じるこりが見つかったら、それらをジワーッと2~3秒押したあと、パッと離すことをくり返します。事前に行えば、3方おじぎの効果をさらに高められるでしょう。
プッシュオフについては、こむら返り・ふくらはぎ痛も脊柱管狭窄症が原因!?患者の6割が症状の訴えの記事を参照してください。
●ゆっくり腹式呼吸する
前屈するときは口からゆっくりと息を吐き、上半身を起こすときは鼻からゆっくりと息を吸います。腹式呼吸をしながら行うと深く前屈しやすくなり、腹筋や背筋も鍛えられます。
●1日3セット行う
3方おじぎは、プッシュオフとセットにして、朝・昼・晩の1日3セット行ってください。特に入浴後は体がリラックスしてこりをほぐしやすくなります。3方おじぎの効果も高まるので、じっくりと時間をかけて行いましょう。
簡単な体操ですので、ぜひみなさんも行ってみてください。
・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。
さらに、3方おじぎを行うときに注意してほしいポイントを説明します。
●太ももをほぐしておく
3方おじぎを始める前に、準備として太ももの背面にある大腿二頭筋をプッシュオフして、よくほぐしておいてください。親指以外の四指を使って大腿二頭筋をまんべんなく押し、痛みの生じるこりが見つかったら、それらをジワーッと2~3秒押したあと、パッと離すことをくり返します。事前に行えば、3方おじぎの効果をさらに高められるでしょう。
プッシュオフについては、こむら返り・ふくらはぎ痛も脊柱管狭窄症が原因!?患者の6割が症状の訴えの記事を参照してください。
●ゆっくり腹式呼吸する
前屈するときは口からゆっくりと息を吐き、上半身を起こすときは鼻からゆっくりと息を吸います。腹式呼吸をしながら行うと深く前屈しやすくなり、腹筋や背筋も鍛えられます。
●1日3セット行う
3方おじぎは、プッシュオフとセットにして、朝・昼・晩の1日3セット行ってください。特に入浴後は体がリラックスしてこりをほぐしやすくなります。3方おじぎの効果も高まるので、じっくりと時間をかけて行いましょう。
簡単な体操ですので、ぜひみなさんも行ってみてください。
・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
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