ふくらはぎの血流アップで、こむら返りの激痛を改善に導く[爪先起こし]|カラダネ

【治す】自力改善

ふくらはぎの血流アップで、こむら返りの激痛を改善に導く[爪先起こし]

著者:清水整形外科クリニック院長 清水 伸一

腰部脊柱菅狭窄症(以下脊柱菅狭窄症)で下半身の血流が悪くなり、ふくらはぎ痛やこむら返りなどを訴える患者が多くいます。

そうしたふくらはぎ痛・こむら返りの対策として、体操によってこりをほぐし、血流をアップさせるのに役立つ体操を行いましょう。
ふくらはぎ痛・こむら返りの悩みがある人は、指圧法である「プッシュオフ(後述)」を数日続けて、ふくらはぎがほぐれてきたら、次に「爪先起こし」というストレッチ体操に取り組んでください。プッシュオフについて、くわしくはこむら返り・ふくらはぎ痛も脊柱管狭窄症が原因!?患者の6割が症状の訴えをご覧ください。

「爪先起こし」は筋力アップも期待できる

爪先起こしは、ふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋を柔軟にして、筋力を強めるのにおすすめです。これらの筋肉が若返ると足腰の血流が促されるため、ふくらはぎの症状のほかに、脊柱管狭窄症に伴う足腰の痛みやしびれの改善が期待できます。

爪先起こしには、❶床に座って行う方法、❷立ち姿勢で行う方法、❸イスに座って行う方法の3種類があり、どの姿勢でも爪先を起こしてふくらはぎを伸ばすのが基本動作になります。それぞれ順番に解説していきます。

❶床に座って行う方法

まずは、基本となる床に座って行う爪先起こしのやり方です。写真を参考に行ってください。

①かかとを前に押し出す

02_12_01.jpgまずは、リラックスした状態で床に腰を下ろしたら、両手を後ろにつけます。そして、かかとを前に押し出すようにして、両足をまっすぐに伸ばします。

②爪先を上げ下げする

02_12_02.jpg①の状態で息を吐きながら爪先を前方に倒し込み、次に息を吸いながら爪先が床と垂直になるように起こします。この動作を10回くり返します。

③爪先を左右に回す

02_12_03.jpg②が終わったら、両足の爪先を時計回りにゆっくりと10回転させて、次に、反時計回りでも爪先を10回転させます。以上の動作を朝・昼・晩に行いましょう。

❷立ち姿勢で行う方法

次は、立ち姿勢で行う爪先起こしです。立ち姿勢で行う場合は、ふくらはぎや足腰にかかる負荷が大きいので、痛みやしびれが強い人、また体力に自信のない人は控えましょう。

①かかとを上げる/②爪先を上げる

02_12_04.jpg壁やイスの背につかまって、両足を肩幅に開きます。爪先で立って3〜5秒数えたら、ゆっくりとかかとを下ろし、次に、爪先を上げて3〜5秒数えたら、ゆっくりと爪先を下ろします。①と②の動作を交互に5回ずつくり返しましょう。

③アキレス腱を伸ばす

02_12_05.jpg①と②が終わったら、壁に手をつき右足を1歩後ろに下げてふくらはぎを10秒伸ばします。左足でも同様に行いましょう。

❸イスに座って行う方法

最後は、イスに座って行う爪先起こしの方法です。この動作は足腰の関節の可動域を広げるのに役立ちます。

①足を前に伸ばす

02_12_06.jpg症状が出ている側の足(写真は右足のふくらはぎに症状があるケース)を前に伸ばします。床にかかとをつけたまま、右足の爪先を天井に向けて起こし、ふくらはぎを10秒伸ばしましょう。

②足を後ろに伸ばす

02_12_07.jpg体をイスの右側にずらし、右足を後ろに下げてください。床に爪先をつけて、アキレス腱を伸ばす要領でふくらはぎを10秒伸ばしましょう。

③足を右斜め方向に開く

02_12_08.jpg右足を右斜め45度の方向に開きます。①と同じ要領で爪先を起こし、ふくらはぎを10秒伸ばしましょう。

④足を左側に倒す

02_12_09.jpg右足を前に伸ばしたら、爪先を天井に向けて起こします。そのまま爪先を左側に倒してふくらはぎを10秒伸ばします。左足でも①〜④の動作を行いましょう

爪先起こしを続ければ、腰痛だけでなく間欠性跛行や坐骨神経痛も軽減

ただし、❷はふくらはぎや足腰にかかる負荷が大きいので、痛みやしびれが強い人、また体力に自信のない人は、❶と❸を行うようにしてください。
もちろん、❶と❸を行うだけでも、ふくらはぎの症状は快方に向かい、早い人なら爪先起こしを始めた当日から痛みやしびれ、こむら返りが消えるケースもあります。

そして、半月から1ヵ月ほど続けると、ふくらはぎに筋力がついてくるので、それから❶〜❸をすべて行うようにして、さらなる筋力アップをめざしましょう。行う回数は、朝・昼・晩の1日3回が目安です。
特に❸は、腰から足先まで大きく動かすことで関節の可動域が広がり、足腰の筋肉も柔軟になります。ふくらはぎの症状のほかに、腰痛や坐骨神経痛、間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)が改善するケースも多いので、忙しいときは❸を優先して行ってください。

・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

s_0710_bishiseizaisuのコピー.jpg※記事の執筆ドクターが特定商品の購入等を推薦するものではありません。

狭窄症Part02_cover.png出典:わかさ夢ムック13 脊柱管狭窄症に絶対勝つ!
新研究で続々わかった!あっと驚く自力克服道場パート2
http://wks.jp/mook013/
著者:清水伸一


●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


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