間欠性跛行の痛み・しびれは「脊柱管ゆるめウォーク」で根治を目指す|カラダネ

【治す】自力改善

間欠性跛行の痛み・しびれは「脊柱管ゆるめウォーク」で根治を目指す

著者:清水整形外科クリニック院長 清水 伸一

間欠性跛行でこま切れにしかあるけなくなる場合が多くある、腰部脊柱菅狭窄症の患者さんにとって、長く歩くことは一つの大きな課題と言ってもいいでしょう。ここでは、長く歩くためのコツ、なかでも私がおすすめする歩き方「脊柱管ゆるめウォーク」を紹介しましょう。

まずは脊柱管狭窄症を悪化させる「前かがみ姿勢」を正す

腰部脊柱管狭窄症(以下、脊柱管狭窄症)による間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)の改善に、一番いい方法はなんでしょうか(間欠性跛行については「痛い・歩けない」で8割の脊柱管狭窄症患者が悩む「間欠性跛行」とはをご覧ください)。実際に間欠性跛行になったことがある人は、「前かがみ姿勢」と答えるかもしれません。
確かに、前かがみ姿勢で歩けば、脊柱管が物理的に広がって神経や血管の圧迫がゆるむので、間欠性跛行の痛みやしびれが現れにくくなるとともに、日常動作が行いやすくなります。
しかし、前かがみ姿勢は間欠性跛行の症状を一時的にやり過ごすための応急措置と考えるべきです。というのも、前かがみ姿勢がクセになると、腰に多大な負担がかかるからです。

根本的な原因も解消できる画期的な歩き方「脊柱管ゆるめウォーク」

前かがみ姿勢ばかり続けると、背骨のS字カーブ(ナチュラルライン)がくずれ、上体の重さを腰だけで支えることになります。すると、腰椎(背骨の腰の部分)に悪影響が及び、周囲の筋肉が硬直したり、靱帯(骨と骨をつなぐ丈夫な線維組織)が肥厚したり、腰椎を構成する椎骨に骨棘ができたり、椎間板が変性したりして脊柱管狭窄症が悪化します。そうなれば、間欠性跛行が起こりやすくなるばかりか、痛みやしびれが増悪するのはいうまでもありません。
以上のように、歩くときはもちろん、いつでも背骨をナチュラルラインに近づける努力が間欠性跛行の根本からの改善につながります。そこで、背骨をナチュラルラインに近づけ、間欠性跛行を根治に導く画期的な歩き方を紹介しましょう。それが、「脊柱管ゆるめウォーク」です。脊柱管ゆるめウォークで歩けば、腰椎の可動域も広がります。

脊柱管ゆるめウォークで姿勢もよくなり歩幅もアップ

脊柱管ゆるめウォークとは、胸を張って上体を起こし、腕を前後に大きく振りながら爪先で地面を蹴り出して歩くウォーキング法です。胸を前に突き出すように張ることで、背骨が連動して背すじが自然に伸び、誰でも簡単に脊柱管に負担のかからない最良の姿勢が取れます。
このとき、無理に胸を張って腰を反らせすぎると脊柱管が狭まって痛みやしびれが強まるので、症状が出ないギリギリのところ(ニュートラルポジション)で止めるのが肝心です。
視線は前方に向け、踏み出すときは爪先でポンと地面を蹴り出します。両腕はひじを90度くらいに曲げ、前後に大きく振ってください。こうすることで、自然と大またになって歩幅が広がり、歩くスピードや歩行力が大幅にアップします。上半身は胸を張ってニュートラルポジションを保ったまま、頭が糸でつられているような感覚で上に伸び上がらせるのがコツです。

緊急対処法との組み合わせで間欠性跛行の万全な対策を

なお、脊柱管ゆるめウォークで歩くときも、痛みやしびれが現れそうになったら、迷わず休憩してください。
休憩するときは、腰やひざに手をついて一時的に前かがみ姿勢を取ったり、おじぎストレッチをしたり、しゃがんだりして休みましょう。そして、しびれが回復したら、また脊柱管ゆるめウォークで歩けばいいのです。
歩いているときに、痛みやしびれが出た場合の対処法は、脊柱管狭窄症で歩けない! [重症度別]歩行力アップ法&緊急対処法をご覧ください。

・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

狭窄症Part02_cover.png出典:わかさ夢ムック13 脊柱管狭窄症に絶対勝つ!
新研究で続々わかった!あっと驚く自力克服道場パート2
http://wks.jp/mook013/
著者:清水伸一


●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


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