【中国式狭窄症体操・腰眼ゆらし】腰のツボを押さえながら体をゆらして坐骨神経痛を軽減!|カラダネ

【治す】自力改善

【中国式狭窄症体操・腰眼ゆらし】腰のツボを押さえながら体をゆらして坐骨神経痛を軽減!

著者:東京中医学研究所所長 孫 維良

4000年の歴史を持つ伝統療法

今回紹介する中国式狭窄症体操の「腰眼ゆらし」は、4000年の歴史を誇る中国伝統医学(中医学)が編み出した、腰痛の保存療法の一つです。

まず、腰眼ゆらしのもととなった中医学の「推拿」(すいな)について、説明しましょう。
推拿とは、気(生命エネルギー)の通り道である経絡やツボ(経穴)を、手指で押圧する手技療法で、さまざまな体調不良を改善すると考えられ、中国で伝承されてきました。
腰眼ゆらしは、腰におすすめのツボである「腰眼」を押しながら、腰を回したり前後に動かしたりする体操です。
腰を動かすことで、硬直した筋肉が柔軟になり、狭くなった椎間孔(脊髄から枝分かれした神経根の出口)が広がると考えられます。また、腰の筋肉の硬直が改善すれば、血流もよくなって、痛みを起こす発痛物質が押し流され、激痛・しびれが軽減していく作用も得られると考えられるのです。

東洋医学には、古くから伝承されている民間の知恵や体験を、専門家が理論と研究によって一定の治療法にまで高めてきた歴史があります。
中国式狭窄症体操の「腰眼ゆらし」の基本となった推拿も、そうした方法の一つです。

自力で歩けてヘルニアも改善

天津中医学院第一附属病院時代の私の同僚である陳玉辰先生は、推拿を活用した腰痛治療のスペシャリストです。
推拿を用い、腰椎椎間板ヘルニア(背骨を構成する椎骨のつなぎめから軟骨がはみ出て神経を圧迫する病気)を改善させた症例の論文を、『天津中医薬』という専門誌で発表しています。
論文では、腰の激痛と左下肢のしびれで自力歩行のできない男性に対して推拿を行ったところ、30分後には自力歩行ができるようになった、と報告しています。
さらに、陳先生による定期治療と合わせ、患者さん自身がセルフ推拿を続けたところ、1年後には、第5腰椎(腰椎とは背骨の腰の部分)と仙骨の間の椎間板ヘルニアが消失したのです(上のMRI画像を参照)。
また、中国では、間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)が生じたさいに、腰眼ゆらしを行うと、再び歩けるようになる人も多くいて、評判になっているそうです。

筋肉の硬直がほぐれ血流がよくなる人が多い

腰眼ゆらしは、腰におすすめのツボである「腰眼」を指で押しながら、腰を前後左右に軽く動かす運動療法です。
腰眼ゆらしは、すぐに作用が現れる可能性が高く、行ったその場で痛みやしびれが大幅に和らいだ、という感想をもらす人が多くいます。
これは、腰眼ゆらしを行うと、筋肉の硬直が和らいで柔軟になり、脊柱管や椎間孔の狭窄がゆるみ、神経に加わる圧迫が軽減する結果と考えられます。
同時に、腰椎を支えている筋肉の硬直がゆるむため、血流が改善して、痛みのもとになる発痛物質などの老廃物が流される作用も期待できます。

私は来日して30年になりますが、日本にきて不思議に感じたのは、脊柱管狭窄症に悩む人の多くが、病院での通院治療ばかりに頼って、自分で治そうと考える人が少ないことでした。
中国では、痛みやしびれを自力で軽減させようと、自分の体を積極的に動かす運動療法を行う人が多くいます。腰眼ゆらしは、まさにその一つです。

くわしいやり方は、以下の記事をご覧ください。

・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

出典

●脊柱管狭窄症克服マガジン 腰らく塾 Vol.4 2017秋号
http://wks.jp/koshiraku004/

●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。

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