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【治す】自力改善

1日たった30秒足をふるだけで腰痛・坐骨神経痛が消えた!痛みの真の黒幕「大腰筋」を鍛えて再発も抑える「足ふり体操」

著者:宮腰圭

つらい腰痛・坐骨神経痛。病院や治療院などに何度通ってもまた痛む……。その痛みを生む黒幕は、もしかして「大腰筋(だいようきん)」かもしれません。
なぜ、この大腰筋が腰痛・坐骨神経痛が発生するのか、またその対策は?
気になる内容を、「骨と筋」代表の宮腰圭先生に解説してもらいます。

患部の手当てだけでは何度も再発する

腰痛や坐骨神経痛がつらいとき、みなさんはどうしますか。ほとんどの人は腰やお尻、太ももに手を当てて丹念にもみほぐしたり、拳でトントンたたいたりしているのではないでしょうか。
しかし、それによって痛みやしびれが和らぐことはあっても、一時的な急場しのぎに過ぎません。これは自分で行う応急処置だけに限らず、治療院で行うマッサージや鍼灸、整形外科で行う薬物療法や電気治療にも同様のことがいえます。
なぜなら、腰痛や坐骨神経痛の原因は、症状が現れている腰やお尻、太ももとは別の場所にあるからです。そのため、通常の腰痛治療を受けているだけでは、痛みやしびれは何度でもぶり返します。
みなさんの中で過去になんらかの腰痛治療を受けたことのある人なら、この点について、なるほどとうなずいてもらえるはずです。

大腰筋は全身の骨格バランスを整える最大急所

では、腰痛や坐骨神経痛の震源地はどこにあるかといえば、それは患部とは逆方向、つまり体の前側にあります。そして、腰痛や坐骨神経痛の黒幕であり、かつ改善に導く最重要ポイントが、体の前側で上半身と下半身をつないでいる「大腰筋」という筋肉なのです。
この大腰筋を鍛えれば、あらゆるタイプの腰痛や坐骨神経痛が改善に向かい、再発も抑えられます。その理由を次に述べましょう。
大腰筋はおなかの奥にあり、腰椎(背骨の腰の部分)から始まって股関節の下を通り、大腿骨(太ももの骨)へとつながっている筋肉です。
ちょうど、リュックサックの肩ひものような形状をして、上半身と下半身をつなぐバンドの役割を担っている大腰筋は、主に足を上げるときに使われます。
それとともに、腰椎や骨盤が前後に曲がったり倒れたりしないように支えるのも大切な役割です。したがって、大腰筋が衰えると骨盤が後ろに傾いたり、逆に前に倒れすぎたりして、全身の骨格にゆがみが生じます。

高齢者に多い「ゴリラ型」の後弯姿勢

具体的に、骨盤が後傾した場合、本来は前方に軽く弯曲(前弯)している腰椎がまっすぐになるか、あるいは後方に弯曲(後弯)した状態になり、ネコ背で顔が体の中心よりも前に出てきます。例えるなら、ゴリラのような姿勢といってもいいでしょう。
逆に骨盤が前傾した場合、腰椎の前弯は通常よりも強まり、いわゆる反り腰でおなかがポッコリと出て、お尻を後ろに突き出したアヒルのような姿勢になります。
この場合も体の前後バランスを取ろうとしてネコ背になり、頸椎(背骨の首の部分)の自然な弯曲が消えてまっすぐに伸びた、ストレートネックという状態になってしまうのです。
腰痛や坐骨神経痛が慢性化している人の立ち姿勢は、ほぼ全員といっていいほど、先ほど紹介したゴリラ型かアヒル型のどちらかに分けられます。
一般的にゴリラ型は高齢者に多く、アヒル型は40代くらいまでの女性によく見られますが、いずれも大腰筋の衰えが発端です。

大腰筋の強化こそ腰痛・坐骨神経痛治療の最短ルート

さらに、再び上の図を見てもらうと、正常な骨格に比べてゴリラ型やアヒル型は、特に腰の部分でゆがみの強いことがわかります。大腰筋が衰えた結果、腰椎に過剰な負荷がかかって内部の神経を圧迫するだけでなく、周囲にある筋肉群(脊柱起立筋・広背筋・腰方形筋・大殿筋など)にも通常以上の負荷がかかっているのです。
つまり、腰椎の異常が原因になる脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア・腰椎すべり症も、筋筋膜性腰痛・梨状筋症候群といった筋肉性の腰痛や坐骨神経痛も、大腰筋の衰えを克服しない限り、十分な改善は望めません。
そこで、次の記事から大腰筋をらくに、効率的に鍛えられる「足ふり体操」という方法を紹介します。

足ふり体操のやり方

足ふり体操は、立ち姿勢で片足を軽く上げたら、ひざから先を振り出すだけのトレーニングで、1日に行う時間も30秒から1分以内。
これだけの動作でも大腰筋を鍛える効果は十分なので、それ以上行う必要はありません、ただし、毎日続けてくださいと念を押しています。一度に数十分も行って足腰に疲労をためたり、飽きて三日坊主に終わったりしたら元も子もないからです。

それでは、実際に足ふり体操のやり方を解説しましょう。

①正面を向いて背すじを伸ばし両足は肩幅に

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顔を正面に向けて背すじを伸ばし、両足は肩幅に広げます。背中を丸めたネコ背姿勢のまま足ふり体操を行うと、大腰筋の動きが小さくなり、体操の効果が弱まるので最初の立ち姿勢に注意しましょう。

②右足の太ももを上げて足を前方に軽く振り出す

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右足の太ももを上げて、左足に対して45度くらいの角度になったら、ひざを伸ばすように足を前方に軽く振り出します。
太ももを上げて足を振り出して「1」、足を床に着けて「2」のリズムでゆっくりと行いましょう。

③左足でも足ふりを行い、右足と左足で交互にくり返す。

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次に、左足の太ももを上げて、②と同じ要領で足を前方に軽く振り出す。このときも太ももを上げて足を振り出して「1」、足を床に着けて「2」のリズム。
左足で足ふりを行ったら、再び右足で足ふり、というように、2と3の動作を交互にくり返します。片足で15回、両足で合計30回を1セットとして、1日1セット行うのが目安です。

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以上を1セットとして、朝の歯磨き前、テレビを見ながら、電車を待っているときなど、空き時間を利用して1日に1セット行いましょう。



下の写真のように、片足でバランスを取るのが難しい場合は、テーブルや壁に片手をついたまま足ふり体操を行ってもいいでしょう。
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足ふり体操は中殿筋や大腿四頭筋の強化にも効果的

大腰筋は足を上げるさいに使われる筋肉で、太ももを軽く上げた(45度程度)だけでも収縮と弛緩をくり返して鍛えられます。
次に、ひざから先を振り出すことで股関節やひざ関節、足首にかかっている負荷が分散し、これらの関節を支えている筋肉の緊張が解かれて足腰の血流も促されるのです。
さらに足ふり体操を片足ずつ行うことによって、反対側の足の中殿筋(お尻の上部外側にある筋肉)や大腿四頭筋(太もも前部の筋肉)も鍛えられます。中殿筋や大腿四頭筋の筋力アップは骨盤の安定に役立ち、骨盤が左右や前後にグラつくのを防いで腰椎にかかる負担も軽減します。
私の施術と並行して整形外科の治療を受けていた人が、足ふり体操で腰痛が改善したことを医師に伝えたところ、リハビリ(機能回復訓練)として高く評価し、今後も足ふり体操を続けるようにとすすめたそうです。
また、私の知人の整形外科医も腰痛治療では大腰筋の強化が不可欠であることを認めたうえで、「そうか、こんなに簡単な方法で大腰筋やほかの筋肉も鍛えられるのか。患者さんたちにすすめてみよう」と話していました。

出典

16年8月号_S.png●わかさ 2016年8月号
・わかさの情報はこちらから
http://wks.jp/publication/wakasa/

・電子書籍は、こちらからご購入ください
Kindle(amazon)の電子書籍ページ

●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


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