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【治す】自力改善

[痛みナビ体操・実践編その1]約6割を占める前屈改善型の人に最適な「壁おじぎ体操」

著者:銅冶英雄

お茶の水整形外科院長・銅冶英雄先生が開発した「痛みナビ体操」は、狭窄症の改善率が高い特効体操です。この記事では、痛みナビ診断(タイプ判定)で「①前屈改善型」と判定された人に特効の「壁おじぎ」の体操を解説します。


この記事を読む前に、まずは痛みナビ診断(タイプ判定)で判定を行ってください。
痛みナビ診断(タイプ判定)については、以下の記事をご覧ください。
脊柱管狭窄症の改善率71%!腰痛にも効果大の画期的な運動療法「痛みナビ体操」とは?

「壁おじぎ」は脊柱管を効果的に広げられる

02_18_004.png私が開発した「痛みナビ」体操は、まず自分の脊柱管狭窄症のタイプを判定する「痛みナビ診断(タイプ判定)」を行います。そこで、「①前屈改善型狭窄症」の判定に当てはまった人は、この記事で紹介する「壁おじぎ」を試してください。
「壁おじぎ」は、腰椎(背骨の腰の部分)の前屈運動を、誰でも簡単に正しく行えるように工夫して生まれた新しい体操です。前屈改善型狭窄症の人が試せば、いずれも狭窄した脊柱管を広げて神経の圧迫を除く、大きな効果が期待できます。
前屈改善型の人が壁おじぎのような前屈運動を行うと、脊髄(中枢神経の束)や馬尾(脊髄の末端にある末梢神経の束)の通り道である脊柱管や、神経根(脊髄から左右に枝分かれする神経の根もと)の通り道である椎間孔が広がり、神経の圧迫が緩みます(上図参照)。その結果、足腰の痛みやしびれ、間欠性跛行などの諸症状が和らぐのだと考えられます。
そして、いい反応が出ているかぎりは、この体操を毎日継続していけば、さらなる改善をめざすことができます。

前屈改善型の人はこんな人が多く当てはまる

そもそも、この「前屈改善型」の人は、当院を訪れる脊柱管狭窄症の患者さんの約60%と最も多くの割合を占めます。
脊柱管狭窄症と診断されると、一様に、前屈運動や前かがみ姿勢がすすめられますが、それは前屈改善型がほかのタイプに比べて圧倒的に多いためと考えられます。
ところで、前屈改善型の人には、次の①~⑥のような特徴がよく確認されます。①~⑥で自分に当てはまる項目が多いほど、前屈改善型狭窄症である可能性が高まりますので、確認してみてください。

①電車通勤などでしばらく立っていると、痛みが強まる・・・・・・・・立っているときは腰が伸びる傾向になる。
②歩くと痛みが強まるが、しゃがんで休めば痛みが軽くなる・・・・・・・・これが間欠性跛行で歩行中は腰が伸びる傾向になる。
③杖やシルバーカー(手押し車)を利用すればらくに歩ける・・・・・・・・杖やシルバーカーでは腰が曲がった状態で歩ける。
④うつぶせで寝ていると、痛みが悪化する・・・・・・・・うつぶせ寝では腰が伸ばされる。
⑤イスに座ると痛まない・・・・・・・・イスに長時間座っていると、腰椎が前屈ぎみになる。ただし、腰を反らして座れば痛みが強くなる。
⑥自転車に乗れば痛まない・・・・・・・・自転車をこぐときはたいてい腰が曲がった状態になる。

これらの項目に当てはまる項目が多い人は、やはり前屈改善型狭窄症である可能性が高いので、この記事で紹介する腰椎(背骨の腰の部分)を効果的に動かすことのできる前屈体操「壁おじぎ」を実行しましょう。症状の改善が、高い確率で期待できます。

壁おじぎのくわしいやり方解説

ここからは実際に、くわしい壁おじぎのやり方を解説します。
壁おじぎを毎日根気強く実行した当院の患者さんは、かなり高い確率で、足腰の痛み・しびれ・間欠性跛行の改善を実感しているので、みなさんもぜひ一度お試しください。

[1] 壁にお尻をつけて立つ

02_18_005.png①両足を腰幅に広げて、壁にもたれて立ち、両手を腰骨に当てる。
②そのまま壁から半歩~1歩分離れた位置に足を出し、壁にお尻・背中・後頭部をつけてもたれかかる。

[2] おじぎを始める

02_18_007.png①お尻の上部を壁に押しつけたまま、腰を徐々に丸めて上体を前に倒し、おじぎを始める。
②おじぎは、息を吐きながら勢いをつけずにゆっくりと行うのが大切。

[3] おじぎを深める

02_18_008.png①腰をさらに丸めてできるだけ深くおじぎをしたら、その姿勢を2~3秒保つ。
②上体を起こして[1]の姿勢に戻り、[2]~[3]を10回くり返すことを1セットとする。
02_18_010.png壁おじぎは、こまめに何度も行えば、腰部脊柱管狭窄症の諸症状を軽減・解消するのに大いに役立ちます。3時間おきに1セットずつ、1日に5~6セットを目安に、改善が認められるかぎりは毎日継続して行ってください。

壁おじぎのポイントと注意点

壁おじぎのポイントは以下の通りです。
●壁を利用すれば、お尻を壁に押しつけて行えるので、背骨のどこを曲げればいいかが意識でき、おじぎのときに腰をきちんと丸めやすい。
●股関節を曲げるのではなく、あくまで腰椎(背骨の腰の部分)を丸めることが肝心。
●勢いや反動をつけずに、ジワリジワリとゆっくり行うのがコツ。
●最初は無理をせず、おじぎの角度は慣れるにしたがって少しずつ深くしていく。おじぎをするときは、お尻の上部(ベルトの高さが目安)が壁から離れないように注意する。

また、壁おじぎを行う際の注意点も以下にまとめました。
02_18_009.png壁おじぎ体操でおじぎをするさいは、骨盤を壁にピタリと密着させ、壁からお尻が離れないようにすることが肝心です。目安としては、お尻の上部(ベルトの高さ)の骨盤が離れないように注意してください。
よくないのは、骨盤を浮かせて太もものつけ根(股関節)を曲げておじぎをすることです。これだと、主に動くのは股関節で下部腰椎はあまり動かないので意味がありません。
また、壁から骨盤が離れない範囲で、できるだけ深くおじぎをすることも大切なポイントです。下部腰椎が曲がることが大事なので、無理に深く前屈する必要はありません。息をゆっくりと吐きながら行ったほうが、腰をらくに曲げられます。


体操を行った後は必ず効果判定を

痛みナビ体操では、各種の体操を試したあとに「痛みナビ診断」と同様の効果判定を必ず行って痛みの変化を確認してください。体操の効果の有無を確認しながら、継続すべきかどうかを判断していくのです。
効果判定でも重要度の順に、①痛みの範囲、②痛みの強さ、③動きやすさで判断していきます。
3段階の効果判定で、体操を行った直後に改善が認められた場合は、その体操が適していると考えて毎日継続して行えばいいでしょう。体操を行うたびに痛む範囲が徐々に狭くなり、やがて痛みが軽減される可能性が高くなります。
反対に、体操を行った直後に悪化が認められた場合は、その体操が適していない可能性があります。その場合は、タイプが違うことも考えられるので、再度、痛みナビ診断のタイプ判定に戻って、自分の脊柱管狭窄症のタイプを確認しなおしたほうがいいでしょう。
体操を行ってしばらく改善が続いていたのに、ある日から改善が停滞してしまう場合もあります。脊柱管狭窄症による症状は、さまざまな要因によって変化するので、実際には、そうしたこともよく起こります。
体操を行った直後の痛みの範囲や強さの変化が「不変」と判断できれば、まずは1週間ほど継続してみましょう。

痛みナビ診断(タイプ判定)については、以下の記事をご覧ください。
脊柱管狭窄症の改善率71%!腰痛にも効果大の画期的な運動療法「痛みナビ体操」とは?

出典

狭窄症_痛みナビ_cover.pngわかさ夢ムック5 腰の脊柱管狭窄症が革新的自力療法[痛みナビ体操]で治った!
http://wks.jp/mook005/

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