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【受ける】治療・手術

脊柱管狭窄症の主な手術4種類[手術法選択チャート]も大公開

著者:久野木順一

脊柱管狭窄症の症状が重度の場合や、なかなか改善しない場合は、手術も選択肢のひとつとなります。脊柱管狭窄症の手術は、主だったものだけでも5種類あり、患者さんにより適した方法が違います。日本赤十字医療センター 副院長・整形外科センター長の久野木順一先生に、詳しくお聞きしました。

手術法選択の参考になるチャートも公開しています!

こんなときは検討を! 脊柱管狭窄症の手術が必要なケース

腰部脊柱管狭窄症では、患者さんの約70%は、3~6カ月間の保存療法(手術以外の治療法)を行うことで、症状が軽減します。しかし、次のような場合には、手術を検討するべきです。

①強いマヒや膀胱・直腸の障害(失禁など)がある
②強い痛みやしびれのために日常生活にも支障をきたす
③短時間しか歩けない
④保存療法で約6カ月たっても症状に変化がない、または悪化する
002.png症状が進んで、強いマヒや膀胱・直腸障害が現れてからでは、手術を行っても痛みやしびれ、失禁などの症状が十分に回復しなくなる可能性があります。

脊柱菅狭窄症の手術は大きく分けて除圧術と固定術の2種類

脊柱管狭窄症の手術法にはさまざまなものがあり、脊柱管の狭窄状態や周辺の骨の状態によって、選択すべき手術は変わってきます。

まず検討されるのが「除圧術」です。除圧術とは、脊柱管が狭くなって神経を圧迫している部分の椎弓(椎骨の背中側の部分)や黄色靱帯(靱帯とは骨と骨をつなぐ丈夫な線維組織)を部分的に切り取って、脊柱管を広げる手術です。
除圧術にもいくつかの手術法がありますが、いずれも神経の圧迫を取り除き、痛みやしびれなどの症状を軽減させることを目的としています。

主な除圧術の手術法

●部分椎弓切除術
椎骨の背中側(椎弓)の一部を切除し、そこから神経を圧迫している骨や靭帯を切除します。通常法と内視鏡下、顕微鏡下などさまざまな術式があります。

●還納式椎弓形成術
脊柱管の骨の一部をいったん切り離し、神経の圧迫を取り除いたのち、はずした骨を戻して椎弓を形成します。

●日赤式脊椎制動術
細いチタン製のロッドとポリエチレン樹脂のヒモを使って脊椎の動きを制御し、脊柱管の狭窄を解消。還納式椎弓形成術が選ばれる場合もあり。

腰椎の状態が不安定な場合は固定術へ

脊柱管狭窄症のもう一つの手術法が、「固定術(脊椎固定術)」です。
脊柱管狭窄症の患者さんの中には、加齢などにより椎間板(椎骨と椎骨の間でクッションの役割をする軟骨)や黄色靱帯が衰えて、背骨がグラグラと不安定な状態の人がいます。
こうした患者さんの場合、手術では、除圧で神経への圧迫を取り除いたのち、金属のボルトなどを使って椎間を固定する固定術が行われます。

脊柱管狭窄症の主な手術法選び方チャート

手術法を選ぶ際、目安になるチャートを作成しました。実際の手術の選択は、医師と相談になりますが、ぜひ参考にしてください。

執刀医は学会の技術認定医を選ぼう

どの手術を受けるにしても、手術の経験が豊富で高い技術を持つ専門医を探すことが肝心です。 そこで、日本整形外科学会や日本脊椎脊髄病学会のホームページを参考にしてはいかがでしょうか。

●日本整形外科学会  https://www.joa.or.jp/
004.png

●日本脊椎脊髄病学会 http://www.jssr.gr.jp/
005.png紹介されている医師は、整形外科専門医のほか、脊椎脊髄病医としての資格を取得しており、充分な手術実績があります。
候補の医療機関が決まったら、手術法や過去の実績、術後のリハビリ(機能回復訓練)についても調べたうえで、手術を受けるかどうかを総合的に判断してください。

出典

koshiraku_002thumbnail.jpg●わかさ増刊号 脊柱管狭窄症克服マガジン「腰らく塾」 vol.2 2017年春号
http://wks.jp/koshiraku002/
著者:久野木 順一

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