1. 【受ける】治療・手術
  2. 手術の方法
  3. 脊柱管狭窄症の手術・執刀医選びに迷ったらまず読むべき[基本のき]【緊急性の有無もわかる!】

【受ける】治療・手術

脊柱管狭窄症の手術・執刀医選びに迷ったらまず読むべき[基本のき]【緊急性の有無もわかる!】

著者:出沢明

保存療法が無効の場合に手術を検討

脊柱管狭窄症の治療は、最初に保存療法が行われます。保存療法とは手術以外の治療法を意味し、薬物療法や運動療法、温熱療法、装具療法、神経ブロック注射(神経に局所麻酔をして痛みを鎮める治療法)などが含まれます。
これらの保存療法を組み合わせながら治療を続けると、3〜6ヵ月ほどで約七割の患者さんは症状が改善に向かいます。
しかし、この期間を過ぎても間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)や痛み、しびれなどの症状に改善が見られず、MRI(磁気共鳴断層撮影)の画像診断でも脊柱管に狭窄部が認められる場合は、次の段階として手術が検討されるのです。

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しびれ+排尿・排便障害の場合は緊急手術も必要

これらの症状は、馬尾(脊髄の末端から伸びる馬の尾のような神経の束)が障害されることで起こり、日本整形外科学会では48時間以内の緊急手術が必要と明示しています。しかし、排尿・排便障害が出た場合、私は24時間以内に手術を受けるべきだと考えています。24時間を超えると、排尿や排便のコントロール能力を失うケースが多いからです。
そのほか、重度の間欠性跛行を伴っていたり、一定期間の保存療法を行っても耐えがたい痛みやしびれが続いたりする場合も手術が検討されます。

脊柱管狭窄症の手術の主流は「開窓術」と「椎弓形成術」

脊柱管狭窄症の手術では、狭くなった脊柱管を広げて神経の圧迫を取り除くこと(除圧)が主な目的になります。
現在、手術法として主流になっているのは、開窓術(部分椎弓切除術)と椎弓形成術です。
開窓術では、椎骨の後方(背中側)にある椎弓の一部を切除し、そこから神経を圧迫している骨や靱帯(骨と骨をつなぐ線維組織)の一部を取り除き、脊柱管を広げて除圧します。
椎弓形成術は、椎弓の一部と肥厚した黄色靱帯だけを取り除き、棘突起など後方の支持組織を温存したまま神経の入っている管を広げる方法です。

手術の安全レベルが向上し入院も短縮

近年は、内視鏡や極小の手術器具、背骨を固定する新素材なども導入され、手術の安全レベルの向上と入院期間の短縮が図られています。そのため、80代以上の高齢者でも手術を受けるケースが増えてきました。
とはいえ、手術を受ければ症状がすべて解消するわけではありません。手術には改善しやすい症状と改善しにくい症状があり、足腰の痛みや間欠性跛行は比較的改善しやすい症状だといえますが、しびれやマヒは手術後も残るケースが見られます。長期間の圧迫によって損傷した神経は、たとえ手術で除圧しても、もとの状態に回復しにくいためです。

手術経験の多い「技術認定医」も有力な候補

脊柱管狭窄症に限らず、どのような手術でもリスクを伴うので、患者さん自身が慎重に執刀医を選び、成功の確率を高めようとする自発的な姿勢が求められます。
手術の経験が豊富で高い技術を持っている執刀医を探す場合は、日本整形外科学会のホームページ(http://www.joa.or.jp)に掲載されている「脊椎内視鏡下手術・技術認定医名簿」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
ここに紹介されている医師は、整形外科専門医のほかに脊椎脊髄病医としての資格も取得しており、さらに厳しい実技試験を受けたうえで脊椎内視鏡下手術・技術認定医と認められます。全国に約二万人いる整形外科医の中で、技術認定医の資格を持つ専門医は0.01%にも満たないので、手術の技量は確かだといえます。
先ほどのホームページで「専門医をさがす」→「日整会脊椎内視鏡下手術・技術認定医」と順にクリックしていくと、地域ごとに医師名・所属医療機関などが調べられます。パソコンやスマートフォンを持っていない人は、主治医に調べてもらってもいいでしょう。
候補の医療機関が決まったら手術法や過去の実績、リハビリ(機能回復訓練)なども聞いたうえで、手術を受けるかどうかを総合的に判断してください。

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出典:わかさ増刊号 脊柱管狭窄症克服マガジン「腰らく塾」 vol.1 2017年冬号
http://wks.jp/koshiraku001/
著者:出沢明

●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。

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