【症例報告・ネコ伸び体操】歩行困難だったがネコ伸び体操を続けて付き添いが不要になった|カラダネ

【集う】体験記・症例紹介

【症例報告・ネコ伸び体操】歩行困難だったがネコ伸び体操を続けて付き添いが不要になった

著者:清水整形外科クリニック院長 清水 伸一

「体験談・症例報告」では、医師の治療に加えて、本サイトで紹介する自力改善方法で、実際に脊柱管狭窄症の症状が回復した人の体験談などを紹介します。
ここでは、「ネコ伸び体操」を行って、症状が改善した工藤よしさん(八十二歳・仮名)の症例を清水伸一先生が紹介します。

●「ネコ伸び体操」について、詳しくは以下を参照してください。

重度の脊柱管狭窄症でもできる「ネコ伸び体操」で体幹筋・歩行力をアップ

必ず医師の治療を受けたうえで、セルフケアの一環として記事にあることを試してみてください。

腰部脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症を併発

5年前から、腰痛とお尻から右足の太ももにかけて痛みがあった工藤よしさん(仮名・83歳)は、右足のふくらはぎのしびれや、足がつる症状に悩まされていました。そこで整形外科を受診したところ、腰部脊柱管狭窄症と診断されたのです。

痛み止めや血流促進の薬を飲み、リハビリをしても、100m歩くと間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)が現れてしまう工藤さん。歩行も危なげで、杖やシルバーカーを使っても不安定な状態だったといいます。 「このままでは歩けなくなる」と考えた工藤さんが医師に相談しても、その医師からは腹筋と背筋の筋肉トレーニングをすすめられるだけだったそうです。

しかたなく、娘さんと自己流で足の運動を行いましたが、逆に足の冷えやむくみが強くなったので、病院でくわしく検査をしたところ、脊柱管狭窄症に閉塞性動脈硬化症(足の動脈硬化)を併発していることがわかりました。そして、母子で私のクリニックに相談にきたのです。

3ヵ月で足腰が安定して坂道を上れるまでに改善

工藤さんのように、高齢で動脈硬化症がある患者さんの場合、手術は難しく、薬やリハビリと並行して、できる範囲で筋肉をつけることが肝心です。娘さんと行った足のトレーニングより、まずは足腰の安定性を高めることが先決です。

工藤さんには、「ネコ伸び体操」をしてもらうことにしました。
ところが、前かがみ姿勢がクセになり、腰が「く」の字に曲がっていた工藤さんは、四つんばいになるだけでも転倒しそうなようすでした。
そこで、おなかの下にイスを置いて安定性を確保してから、ネコ伸び体操を行ってもらったのです。

ネコ伸び体操で背骨を上下させると、硬膜(脳と脊髄を覆う膜)の外圧が減って神経根への圧迫が緩むため、その場で脊柱管狭窄症の痛みやしびれが緩和されると同時に、骨盤周囲の筋肉が鍛えられて足腰の安定が得られるようになります。

工藤さんの場合も、腰痛が即座に和らぎ、3ヵ月ほどネコ伸び体操を続けたら足腰が安定し、夜中にトイレに行くさいも娘さんが付き添う必要がなくなりました。そして、シルバーカーがあれば、平地の歩行はもとより、緩い坂道なら上れるまでに改善しました。

現在でも、1日3回のネコ伸び体操を欠かさない工藤さん。年齢や症状に応じた体幹トレーニングが、効を奏した好例といえるでしょう。

・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

狭窄症Part02_cover.png出典:わかさ夢ムック13 脊柱管狭窄症に絶対勝つ!新研究で続々わかった!あっと驚く自力克服道場パート2
http://wks.jp/mook013/
著者:清水伸一


●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


【集う】体験記・症例紹介の記事一覧

この記事が気に入ったらいいね!しよう