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【症例報告・おなか脱力腰回し】脊柱管狭窄症の腰痛と足痛が改善し、手術を回避

著者:清水整形外科クリニック院長 清水 伸一

「体験談・症例報告」では、医師の治療に加えて、本サイトで紹介する自力改善方法で、実際に脊柱管狭窄症の症状が回復した人の体験談などを紹介します。ここでは、「おなか脱力腰回し」を行って、症状が改善した人を清水伸一先生が紹介します。

●「おなか脱力腰回し」について、詳しくは以下を参照してください。
【おなか脱力腰回し①】痛み・しびれが退散する「腹ペコ脱力」
【おなか脱力腰回し②】坐骨神経痛にも効果大「足ブラ脱力」
【おなか脱力腰回し③】仙腸関節を効果的にほぐす「腰ブラ脱力」

必ず医師の治療を受けたうえで、セルフケアの一環として記事にあることを試してみてください。

ズシンとした思い腰痛に襲われた

柴田幸三さん(58歳・仮名)さんは、営業の仕事で毎日、長時間歩き回っていました。また、休日には、テニスやスキーを楽しむスポーツマンでした。
5年前、柴田さんは、仕事中に突然、腰にズシンとした重い痛みに襲われました。

今までになかった痛みに驚いて会社を早退し、腰に湿布薬を貼り鎮痛薬を飲んで、早めに寝ました。ところが、翌朝になっても痛みは引きません。柴田さんは、整形外科を受診したそうです。

レントゲン検査の結果、変形性腰椎症と診断され、鎮痛薬と湿布薬、コルセット、リハビリが処方されました。
柴田さんは、「今までスポーツで腰を酷使したのがいけなかったのだろう」と思い、治療に専念しようと、リハビリを熱心に行いました。

締めつけられる痛みで歩けなくなった

しばらくすると、腰痛は少し軽くなりました。ところが、会議などで長く座っていたあとに立ち上がろうとすると、腰痛がぶり返し、腰をさすりながらゆっくり立ち上がらなければなりませんでした。

そうこうしている間に、左足がだんだん重く感じられて、歩くさいにうまく左足を前に出せなくなりました。歩く速度が極端に遅くなり、それとともに重だるい腰痛がぶり返してしまったのです。
再び整形外科を受診した柴田さんは、レントゲンやMRI(磁気共鳴断層撮影)検査の結果、脊柱管狭窄症と診断されました。

新しく処方された鎮痛薬は、吐きけやふらつきといった副作用が出たために、飲むのをやめてしまったそうです。症状はさらに悪化して、左足は締めつけられるような痛みに変わり、間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)も現れてしまいました。

柴田さんは、スポーツマンだった自分が歩くこともままならなくなってしまった現実に、愕然としたそうです。医師からは手術をすすめられましたが、あと2年で定年を迎える柴田さんは、なんとか手術をせずに症状を和らげられないものかと、当院を訪れたのでした。

その場で痛みが半減してビックリ

来院時の柴田さんは、腰が「く」の字に曲がり、腰周囲の筋肉がガチガチに硬直して、触診で少し押しただけで痛みを訴えるほどひどい状態でした。
レントゲンとMRIの画像を見ると、腰椎(背骨の腰の部分)の3ヵ所に狭窄が認められ、脊柱管狭窄症(神経根型)と診断しました。

私は柴田さんに、私の本を見てこれまでに行っていたというリハビリの体操を、目の前でやってもらいました。
すると、体操を行うのに一生懸命のあまり力が入りすぎており、筋肉をほぐして活性化し柔軟にする効果がほとんど得られていなかったのです。実際に、当院で指導しているおなか脱力腰回しも、効果が上がらない患者さんは、たいてい力が入りすぎているのです。改めて柴田さんのおなかを触診すると、深部の腸腰筋が硬直しているのが容易に想像できました。

そこで、硬くなった腸腰筋と腹筋をほぐすためにおなか脱力腰回しを指導し、力を入れすぎないよう注意して、その場で行ってもらいました。
すると、2、3回のおなか脱力腰回しで、何をしても治らなかった腰痛が半減したのです。これには、柴田さんもビックリしていました。

手術も回避して仕事にも復帰できた

「もしかしたら手術をせずに、腰痛も左足の激痛も治るのではないか」と希望を持った柴田さんは、自宅でもおなか脱力腰回しを続けました。すると、2〜3日後には、腰をまっすぐに伸ばしてゆっくり歩けるようになったのです。

さらに三週間たったころには、重い腰痛も締めつけるような左足の激痛もほぼ消えて、正常に歩けました。
柴田さんは、こんな短期間に痛みが消えたことに驚きながらも、「また元気に営業の仕事ができます」と、とても喜んで話してくれました。もちろん、手術をする必要は全くないと思われます。  

このように、おなか脱力腰回しで腰痛が顕著に改善するケースは、決して珍しくはありません。症状を改善するポイントは、まさに筋肉の余分な力を抜くことです。それが、筋肉の緊張を和らげて動きを滑らかにします。

「自分で治す」気持ちが改善へと導く

そして、病気の治療を医師まかせにしないことも大切です。
「自分で治そう」と決心した患者さんは、いきいきと楽しみながらおなか脱力腰回しを行います。すると、症状が自然と改善の方向に向かうのです。最高の治療者は、医師ではなく患者さん自身です。本当の痛みは本人にしかわからないからです。
そうして、病気を克服した喜びを患者さんと分かち合うのが、医師である私の最高の生きがいとなっています。

・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

狭窄症Part02_cover.png出典:わかさ夢ムック13 脊柱管狭窄症に絶対勝つ!新研究で続々わかった!あっと驚く自力克服道場パート2
http://wks.jp/mook013/
著者:清水伸一


●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


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