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【治す】自力改善

[痛みナビ体操・実践編その2]すべり症にも効果大!後屈改善型の人に最適な「壁反らし体操」

著者:銅冶英雄

お茶の水整形外科院長・銅冶英雄先生が開発した「痛みナビ体操」は、狭窄症の改善率が高い特効体操です。この記事では、痛みナビ診断(タイプ判定)で「②後屈改善型」と判定された人に特効の「壁反らし」の体操を解説します。

この記事を読む前に、まずは痛みナビ診断(タイプ判定)で判定を行ってください。
痛みナビ診断(タイプ判定)については、以下の記事をご覧ください。
脊柱管狭窄症の改善率71%!腰痛にも効果大の画期的な運動療法「痛みナビ体操」とは?

また、痛みナビ診断(タイプ判定)で、後屈改善型以外の判定だった人は以下の記事をご覧ください。
[痛みナビ体操・実践編その1]約6割を占める前屈改善型の人に最適な「壁おじぎ体操」
●[痛みナビ体操・実践編その3]狭窄症の常識が通用しない側方改善型に有効の「お尻ずらし」(近日公開予定です)

後屈で改善される腰椎のひずみも多い

02_19_001.png「痛みナビ診断」のタイプ判定を行った結果、腰を反らす後屈運動で痛みの範囲・強さ・動きやすさが改善されたのなら、「②後屈改善型狭窄症」の可能性が高まります。
後屈改善型は、前屈改善型に次いで多いタイプで、当院の腰部脊柱管狭窄症(以下、脊柱管狭窄症)の患者さんの約30%に該当します。
一般に、脊柱管狭窄症の症状は前かがみ姿勢でらくになり、腰を反らすと痛みやしびれが強まるといわれています。それなのに、なぜ後屈改善型の人は、後屈運動で症状がらくになるのでしょうか。
それはやはり、脊柱管狭窄症の病態が極めて複雑だからにほかなりません。
脊柱管狭窄症は、椎間板の変性や椎体の変形、靱帯の肥厚、腰椎(背骨の腰の部分)のすべりや側弯など、さまざまな要因が複雑に絡み合って、神経を圧迫している症候群です。腰椎椎間板ヘルニアによく見られる椎間板の膨隆や突出が、後屈によって改善されるのであれば、後屈運動で治る脊柱管狭窄症があっても、なんら不思議はないのです。

歩いて痛みが軽減すれば後屈改善型の可能性大

後屈改善型の患者さんには、①〜⑥のような特徴もよく認められます。当てはまる項目が多いほど後屈改善型の可能性が高まります。
①長く座っていると痛みが強まる・・・イスに長時間座っていると、ネコ背ぎみになる。
②うつぶせで寝ていると痛みが和らぐ・・・うつぶせに寝ると、腰が伸ばされる。
③立っていると痛みが軽くなる ・・・立っているときは腰が伸びる傾向になる。
④歩くと痛みが軽くなる・・・歩行中は腰が伸びる傾向になるので、後屈改善型狭窄症では間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)にはなりにくい。
⑤洗顔するときや靴下をはくときに痛む・・・中腰の動作では腰椎が曲がる。
⑥自転車に乗ると痛みが強まる ・・・自転車をこぐときはたいてい腰が曲がった状態になる。
以上のように、後屈運動で症状が和らぎ、①〜⑥のいくつかに該当するようなら、後屈改善型狭窄症である可能性が高いといえます。
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壁反らしは場所を選ばず無理なく行える

後屈改善型狭窄症の人は、腰を後ろに反らす後屈運動をくり返し行うと、足腰の痛み・しびれが驚くほどよくなる例が数多くあります。
腰椎の後屈運動には、立って行う「立ち腰反らし」、うつぶせ寝の状態からひじを立てる「ひじ立て」、同じく腕を立てる「腕立て」などさまざまなやり方が考えられます。
ただし、立ち腰反らし以外は、うつぶせにならないといけないので外出先でできないのが難点です。また、立って行う腰反らしは、自分の足だけで体を支えなければなりません。そのため、足腰に衰えを感じている患者さんは、転倒の不安から、十分に反れないことも多いようです。
そこで、外出先でも場所を選ばず、しっかりした壁さえあれば足腰の衰えた人でも無理なく行える、腰椎の新しい後屈体操を考案しました。それが「壁反らし」です。
壁反らしの最大の利点は、壁におなかや両手をつけて行うことによって、おなかや両手が支えとなるので、立って行う腰反らしに比べると安定感に優れ、腰を後ろへ十分に反らせることです。後屈改善型の人には、ぜひとも行ってほしい体操です。
02_19_003.pngまた、当院に来ている患者さんの中には、壁反らしを行って腰椎すべり症の改善例もあります。壁反らしを行うと、腰椎すべり症で前方にずれた椎骨(左のレントゲン)が、後方に戻ろうとして脊柱管が広がる(右のレントゲン)ため、改善が望めるのです。

壁反らしのくわしいやり方

ここからは実際に、くわしい壁おじぎのやり方を解説します。


[1]壁に両手をついて立つ

02_19_004.png①両足を肩幅に広げて、体が床に対して垂直になるように立つ。
②両手を壁につき、ひじをまっすぐに伸ばす。
③あごを引き、顔をまっすぐ前に向ける。

[2]腰を前に突き出しはじめる

02_19_005.png①ひじとひざを伸ばしたまま、ゆっくりと腰を前に突き出しはじめる。
②下腹を壁に近づけるようにして腰を反らしていく。

[3]さらに腰を反らす

02_19_006.png①腰をできるだけ反らしてその姿勢を2~3秒保つ。
②上体を起こして[2]の姿勢に戻り、[2]~[3]を10回くり返すことを1セットとする。
02_19_008.png壁反らしは、3時間おきに1セットずつ行い、1日に5〜6セットを目安に、改善するかぎりは毎日続けてください。壁反らしをくり返し行えば、腰部脊柱管狭窄症の痛みやしびれは徐々に改善されてくるでしょう。

壁反らし体操のポイント

壁反らし体操を行うさいのポイントは、以下の通りです。
02_19_009.png02_19_007.png壁反らし体操を行うさいは、ひじやひざが曲がらないようにすることが肝心です。ひじやひざが曲がった状態で壁反らし体操を行っても、下部腰椎を十分に反らすことができないからです。
胸椎(背骨の胸の部分)や股関節を反らすのではなく、あくまで下部腰椎を反らすことが肝心です。
腰を後ろに反らすさいは、勢いをつけずになるべくゆっくりと行います。無理に反らす必要はありません。できる範囲で後屈すればいいのです。
最初のうちは少しだけ腰を反らす程度にして、慣れるにつれて反りを大きくしていけばいいでしょう。腰を反らすときは息を止めず、息をゆっくりと吐きながら行ったほうが、らくに反らせます。

後屈改善型の人が壁反らしを行えば、早ければその日のうちに症状の軽減を実感できる場合も数多くあります。もしすぐに症状がらくにならなくても、1週間くらいは壁反らしを続けて、効果の有無を確かめてください。

体操を行った後は必ず効果判定を

痛みナビ体操では、各種の体操を試したあとに「痛みナビ診断」と同様の効果判定を必ず行って痛みの変化を確認してください。体操の効果の有無を確認しながら、継続すべきかどうかを判断していくのです。
効果判定でも重要度の順に、①痛みの範囲、②痛みの強さ、③動きやすさで判断していきます。
3段階の効果判定で、体操を行った直後に改善が認められた場合は、その体操が適していると考えて毎日継続して行えばいいでしょう。体操を行うたびに痛む範囲が徐々に狭くなり、やがて痛みが軽減される可能性が高くなります。
反対に、体操を行った直後に悪化が認められた場合は、その体操が適していない可能性があります。その場合は、タイプが違うことも考えられるので、再度、痛みナビ診断のタイプ判定に戻って、自分の脊柱管狭窄症のタイプを確認しなおしたほうがいいでしょう。
体操を行ってしばらく改善が続いていたのに、ある日から改善が停滞してしまう場合もあります。脊柱管狭窄症による症状は、さまざまな要因によって変化するので、実際には、そうしたこともよく起こります。
体操を行った直後の痛みの範囲や強さの変化が「不変」と判断できれば、まずは1週間ほど継続してみましょう。

痛みナビ診断(タイプ判定)については、以下の記事をご覧ください。
脊柱管狭窄症の改善率71%!腰痛にも効果大の画期的な運動療法「痛みナビ体操」とは?

出典

狭窄症_痛みナビ_cover.pngわかさ夢ムック5 腰の脊柱管狭窄症が革新的自力療法[痛みナビ体操]で治った!
http://wks.jp/mook005/

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