1. 【学ぶ】基礎知識
  2. 脊柱管狭窄症とは
  3. 脊柱管狭窄症の原因~複雑な要因がからむ厄介な腰痛は「運動療法」で克服へ~

【学ぶ】基礎知識

脊柱管狭窄症の原因~複雑な要因がからむ厄介な腰痛は「運動療法」で克服へ~

著者:銅冶英雄

痛みの直接の原因は脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されること

腰部脊柱管狭窄症(以下、脊柱管狭窄症)の根本的な原因は、腰椎(ようつい:背骨の腰の部分)の中を通る脊柱管という神経の通り道が、なんらかの要因で狭窄してしまうこと、と考えられています。
脊柱管が狭くなると、そこを通る神経が物理的な圧迫を受け、足腰の痛みやしびれが生じてしまうのです。

脊柱管が狭くなる6つの要因

ひと口に「脊柱管の狭窄」といっても、狭窄を招く可能性のある要因としては次の6つのことが考えられ、それぞれが単一でなく複雑に絡み合って脊柱管を狭窄させている場合がほとんどなので、非常にやっかいです。

1.椎間板の変性

01.png椎間板 (ついかんばん:背骨を構成する椎骨と椎骨をつなぐ軟骨組織)を形作る線維輪が傷んで、中にあるゼリー状の髄核(ずいかく)がずれて、椎間板がつぶれたり、後ろに膨らんだり(膨隆という)することで、脊柱管や椎間孔(ついかんこう:脊髄から左右に枝分かれした神経根の出口)が狭くなり、神経が圧迫されます。

2.椎体の変形

02.png椎間板の変性に伴って、その椎間板の上と下にある椎体(椎骨の前部)の縁にトゲのような骨の出っぱり(骨棘=こっきょく)が生じて脊柱管や椎間孔にせり出すことで、神経が圧迫されます。

3.椎間関節の変性

04.png椎骨の後部に左右一対ある椎間関節が傷んだ状態で、椎間関節が炎症によって腫れて、椎間孔が狭くなって神経根が圧迫される。
長期間に渡ると、椎間関節の変形が進んで骨棘が生じることもあります。

4.靭帯の肥厚

03.png脊柱管の前方にある後縦靭帯(靭帯とは骨と骨をつなぐ丈夫な線維組織)や、後方にある黄色靭帯がたわんで分厚くなり、脊柱管が狭くなって神経が圧迫されるます

5.椎体がずれた腰椎すべり症

椎体と椎体が前後にずれてしまった状態で、そのズレにより脊柱管や椎間孔が狭くなって神経が圧迫される。動いてもズレの程度が変わらない安定したすべり症もあるが、腰椎の前屈や後屈でズレが大きくなることもあます。

6.腰椎が曲がった変性側弯

椎体と椎体が左右に曲がったりねじれたりした状態で、脊柱管や椎間孔がさまざまな形で狭くなり、神経が圧迫されます。
側弯(そくわん)した状態で固定されることもありますが、腰椎の運動で側弯の程度が変わる場合もあります。
以上のように、脊柱管の狭窄は6つもの要因が考えられますが、さらにやっかいなのは、これらの現象が腰椎の一ヵ所だけに起こるとはかぎらないことです。
実際の治療現場では、腰椎の複数ヵ所に脊柱管の狭窄が同時に認められる場合も多いのです。

複雑な脊柱管の狭窄は運動療法で完治を目指す

ここまで説明して、脊柱管狭窄症がなぜ難治の病気といわれるのか、その理由がよくおわかりいただけたでしょうか。

脊柱管の狭窄は、椎骨や椎間板、靭帯などの組織が変形して起こる複合的な変性(加齢性変化)といえます。椎骨や椎間板、靭帯などの組織は共同して腰椎の運動を担うので、どれか一つの組織だけが変形・変性するとは考えにくく、複数の組織の変性が同時に進んで、その結果として脊柱管が狭窄するのです。

しかも、その狭窄が腰椎の多部位に生じるとなれば、手術をもってしても根治が困難な理由がおわかりいただけるのではないかと思います。では、もう打つ手はないのでしょうか。そんなことはありません。脊柱管の狭窄を的確な運動によって根本から一挙に改善させる運動療法を行えばいいのです。
実際に、運動療法を実践すれば、足腰の痛みやしびれ、間欠性跛行(かんけつせいはこう:こま切れにしか歩けなくなる症状)が軽減する患者さんが数多くいるのです。

運動療法に期待できる5つのしくみ

腰椎の適切な運動を行うことで足腰の痛み・しびれ・間欠性跛行などの症状が軽減するのは、次の5つのしくみによるものと考えています。

① 膨隆した椎間板を戻す効果
② 肥厚した人体を伸ばす効果
③ 腰椎すべり症でずれた椎体を戻す効果
④ 変性側弯で曲がった腰椎を矯正する効果
⑤ 椎間関節のひずみを戻す効果


脊柱管狭窄症の痛みやしびれに悩む一人でも多くの患者さんに、運動療法による効果を実感してほしいと願ってやみません。

狭窄症_痛みナビ_cover.png出典:わかさ夢ムック5 腰の脊柱管狭窄症が革新的自力療法[痛みナビ体操]で治った!
http://wks.jp/mook005/
douyaDVD_M.jpg参考資料:わかさ夢DVDライブラリー② 坐骨神経痛・腰痛 最新対策セミナーDVD
http://wks.jp/dvdmook002/
著者:銅冶英雄

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